ピピピ

(*'-') うーん

(´_`) こんな遅くに窓開けて何してるの?

(*'-') 電波を送ってるの

(´_`) 電波?

(*'-') そう、遠い星に、迎えにきてーって

(;´д`) …それ本気で言ってるの?

(*'-') あ、バカにしてるー

開け放した窓から入り込んだ夜の風が彼女の髪を抜けていった。
(窓の外からはどこかの家のテレビの音が聞こえている。)

(*'-') ねえ、行く途中でイギリスに寄ってもらえるかな? どう思う?

(´_`) 知らないけど、頼んでみたら?

(*'-') あら、投げやりな人だ

僕は彼女を馬鹿にしたわけじゃなかった。
ただ、僕らは宇宙よりもずっと遠い心の距離のことを知っていて、
ピピピと思いを飛ばすにはあまりにも大人すぎた。

(´_`) ぬいぐるみはどうするの?

(*'-') ぽんたのこと?

(´_`) そう、それ。

(*'-') もちろん連れてくよ。

(´_`) 僕は?

(*'-') どうしようかなー

(´_`) えー

悪戯っぽく口元を歪ませる彼女の肩を抱き寄せて額を合わせる。
ピピピと呟くと、一瞬不思議そうな顔をして、それからウフフと笑った。